15分区切り勉強法とは、15分をワンセットとして考え、次々と科目を変えていくのが基本スタイルです。
高校生のときにこの「15分区切り勉強」を考案し、そのあたりから実施しているので、もう10年以上継続してます。これまで大学受験以外でも(TOEIC、大学院受験、宅建)、すべてこの15分メソッドを取り入れてきました。極めて合理的なスタイルと思っています。
(ただし大学院受験は、集中力が高まっていたこともあり、休憩を入れながら一気に物理学の問題集すべてを仕上げていました)
私は集中力の持続期間が非常に短く、あっという間にものごとに飽きてしまう、ということもあり、15分という非常に短い時間で区切る方法を採用しています。
この15分区切りメソッド、非常に多くのメリットがあります。突き詰めると下記となります。
・疲れていても取り組める
・コマ切れ時間を活用できる
・さらなる細分化で超集中が可能
・To doの細分化・整理に最適
・切り替え力の養成
疲れていても取り組める
何か勉強する、と決めたとき、ほとんどの人が毎日1時間以上は勉強すると思います。SNSを見ていると、大半の人が1日の学習時間の目標を持っているように見えます。朝5時から出社準備までの3時間勉強する!といった目標です。それはそれで、実現できるのであれば全く問題ないでしょう。
ただし私が見たところ、それを1年通して行える人は非常にまれです。かなりの割合の人が途中で力尽き、人知れず継続を断念しています。
それはある意味当たり前で、今やる気に満ち溢れていたとしても、1週間も継続すればもうやる気が落ちているのが人間だからです。
さらに「成果」が見えない場合、一気にモチベーションが下がることも多いです。学習の途中で受ける確認テスト、模試。これで勉強したにもかかわらず非常に低い点数を取ってしまったりすると、一気にやる気が無くなり、最悪勉強ストップまで行ってしまいます。
社会人はこれに加えて予期せぬトラブル、残業、さらに複雑な人間関係で、仕事中はかなりのストレスを抱えることになります。仕事で疲れない、という人はいないでしょう。そんな状態で1日〇時間の勉強をする、というノルマを自分に課すのは、私に言わせれば無謀というほかありません。
そこで社会人は、まずは最低限この時間であれば毎日継続できる、という時間を決めることをお勧めします。
最低限、というのは「どんな状態であっても」という意味です。つまりどんなにアルコールを飲んでいようが上司に怒られようが顧客からクレームが入ろうが夫婦喧嘩しようが失恋しようが笑、継続できる時間、という意味です。
私は「最低勉強時間15分」というのは色々な人に当てはまるのではないかと思っています。
もちろん、15分以上できるときはガンガンやってほしいですが、その場合も15分ごとに科目をどんどん変えていくと飽きないことが多いと思います。ぜひ試してみてください。
最終的には、どんな区切りで勉強しようが、試験範囲をすべて終えればいいのです。
コマ切れ時間を活用できる
時間の制約がある社会人は、コマ切れ時間を活用することが非常に大事です。
15分という区切りをワンセットとしておくことで、時間がない朝、お昼休み、電車の中、ちょっと空いた時間等も有効活用することが可能となります。どんな場所で、どんな時間帯で行おうが、それは立派なワンセットなのです。
少し違う観点では、個人的に社会人は「朝3時間勉強する」「夜3時間勉強する」といった「いつ勉強するか」にはあまりこだわらないほうがいいと思っています。もちろんできるならやってほしいですが、私が見たところ、それをできる方々はゼロではないもののほんの一握りの印象です。いつしか目標が耐え難いプレッシャー・重荷となり、継続をストップしてしまう原因とならないように、なるべく「隙間時間」「自分ができる時間」に集中してやる姿勢が重要だと思います。
さらなる細分化で超集中が可能
まずは15分(もしくは自分の最低集中時間)を鬼のように集中して取り組んでみてください。
ある科目のテキストを読み進めていくとする。その場合、
・まず冒頭30秒で目次を確認する
・次の2分で、勉強開始する箇所の5ページくらい前から、前回アンダーラインした個所を速読する
・残りの12分30秒で、アンダーラインを弾きながらひたすら精読する
このように15分の中でもさらに細分化することができます。
この15分で以下のことができています。目次を確認することで、全体のアウトライン把握を実施し、前回の復習をすることで速読を実施し、今日の学習範囲でアンダーラインを弾きながら精読を実施している。
これは15分という短い時間で区切ったからこそ濃密に行うことができている作業となります。
15分はダラダラ過ごすと本当にあっという間に終わってしまいます。そこでこのように自分のフォーマットを決め、超集中して15分の学習に取り組むことで、効果的な学習を実現できるのです。
区切りの意識を持つことはTo doの細分化・整理に最適
ものごとは、どんな難題であっても細分化できます。
一見大変に見えること、自分には不可能に見えること、資格試験のように膨大な内容であったとしてもです。細分化し、詳細にtodoを設定し、着実に、機械的に取り組んでいけば、自然と解決に向かうことが多いです。
例えば仕事においても、詳細に細分化する、ということは非常に重要です。細分化してタスクを明確にして、初めて適切な担当者に割り当てることができるのです。
この「タスクの細分化」、人によっては非常に苦手という印象を受けます。
タスクの細分化は経験(とセンス)が問われます。適切に細分化するには、経験がないとできないことが多いのです。それはそうですよね。ゴールが見えていないと適切な道筋は作れません。
「15分区切り勉強」は、タスクを細分化するいい練習となります。なにしろ15分区切りで次々と科目(タスク)を変えていくのですから、これを実施するには、資格試験であれば全学習範囲を効果的に区切り、上手く回していく計画を立てる必要があります。
資格試験の学習範囲は非常に膨大です。しかし適切に細分化して15分ごとに機械的に回していく(もちろんその15分は超濃密に集中して取り組む)ことで、意外とあっさり、全範囲を網羅することができるようになります。
区切りの意識を持たずに長時間やっても、ちっとも進まなかったりするので不思議なものです。
「切り替え力」の養成
社会人受験生は、「切り替え力」の重要性を非常によく理解されているのではないでしょうか。社会人受験生はなによりも、仕事モードと勉強モードを切り替える必要があります。仕事のことを考えていては、勉強ができません。しかしこれ、非常に難しいですよね…
仕事というのは浮き沈みがあるのは当たり前。順調なときもあれば辛いとき、落ち込んだりするときもあります。辛いときは顧客からのクレーム、上司からの叱責、同僚との対立あたりが代表例でしょうか。これらの出来事があった日の夜に、集中して勉強に取り組める人は稀と思います。
しかし社会人は、必ず「切り替え力」をマスターして、何があろうと学習に集中する必要があります。
考えてみれば、オフィスを出たあとに、起きたことをくよくよ考えても何にもなりません。何かアクションを起こす必要があるのであれば仕事中にやるべきでしょう。もしくは一晩立って冷静になった翌朝。いったん仕事から離れたのであれば、自分ができることは何もないと考え、モードを切り替えて学習する必要があります。社会人受験生にとって、「切り替え力」は必須です。
「15分区切り勉強」はこの切り替え力の養成に役立ちます。
何しろ15分ごとに科目(もしくはテーマ)を次々に変えてやっていくのです。
一つの科目(もしくはテーマ)にずっと引きずられていては到底切り替えられません。未練を引きずらず、あっさりと次の科目に移る必要があります。
これには別のメリットもあって、最初の15分の科目の進捗が悪かったとしても、次の15分の科目は非常に進捗が良く、2つ通してみると、30分でまずまずの進捗を達成できた、ということはかなりあります。これは30分ずっと同じ科目で難しいところにひっかかり、ちっとも進まないよりもはるかにいいことです。
このようにある意味ドライになって、機械的に別の科目に次々に移ることで、進捗も非常によくなりますし、社会人に必要な「切り替え力」も養われるのです。
どうしても長時間勉強できない、と悩んでいる人は、まずこの15分区切り勉強を試してみることをお勧めします!
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